ウォーレン・バフェットがベライゾン(VZ)に投資した理由
出典:Why Is Warren Buffett Interested in Verizon Communications?
バフェットが新規銘柄に投資
ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイは、13F申告書で、昨年3Qと4Qに大量の新規株式を買収したことを明らかにした。
4Q申告書によると、2020年末バークシャーはベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の株式を1億4,700万株を保有している。 ポジション規模は86億ドル超えとなっている。
また、バークシャーはシェブロン(CVX)の株式も大量買収した。 ポジション規模は40億ドル超え。
両方のポジションは驚くほどのポジションである。
現在、ベライゾンはバークシャーのポートフォリオで10位圏内にあり、全く予想できない結果である。
買収規模からするとバフェット本人の意思で買収したことを意味するが、彼は過去にこのようなタイプの企業を避けるよう、投資家たちに助言している。
バフェットが思う企業のクオリティ
ウォーレン・バフェットは、1991年春にノートルダム大学の教授陣、MBAの学生、学部生を対象に複数回の講演をした。
彼は講演で、企業の「痛みVSエクスタシー」つまり、企業が持っている最高のクオリティと最悪のクオリティについて説明した。それとともにA社とE社という二つの企業の事例を提示した。
A社とE社は株主の一人を、世界で5大金持ちの一人にしてくれたことに対し、当時他の企業よりも株主を貧しくしてしまった企業もありました。
続いてA社には数千人のMBA出身者がいるが、E社には全くいないと説明した。
A社は、数千件の特許を持っていたが、E社は「何も発明しなかった。」と言った。
また、A社の製品は「当時、大きな改善」をしましたが、E社の製品は従来と変わらなかった。
A社はAT&T(American Telephone and Telegraph)であり、E社トムソン (現トムソン・ロイター)でした。
しかし、A社の問題は、成長するために莫大な資本が必要なことでした。バフェットは9年間、同社の資産は470億ドルで990億ドルに増え、純利益は22億ドルから56億ドルに増えたと指摘しています。
バフェットは、「どんどん多くの資金が投資されされなければならなかった。」と言った。資本集約度が高い事業であることがA社の問題だった。一方、新聞事業は追加資本を投入する必要がなかった。バフェットは、次のように要約する。
一つは、驚くほど素晴らしい企業で、他の一つはとんでもない企業でした。 資本集約的でない素敵な企業と資本集約的な企業のいずれかを選ばなければならないなら、資本集約的でない企業を調べることをお勧めします。 25年かかってやっと分かったことです。
ベライゾンも同じ問題を抱えている。会社の経営陣は、2021年の間に175億ドルから185億ドルの間の資本支出を予想している。しばらくの間はこのレベルの支出を維持する可能性が高く、フリーキャッシュフローの増加にマイナス要因になるだろう。
また、競争の激しい通信業界の特性も考慮する必要がある。ベライゾンは、投資資金を回収するために、単純に値上げに依存することはできない。
投資戦略の変化
一方、過去数十年の間に渡って、バフェットの投資戦略は着実に変化してきた。バークシャーの投資資金がますます多くなると、良いリターンで投資する魅力的な場所を見つける難しさを経験した。 そのためか、社会基盤施設、鉄道、エネルギー生産の分野に視野を広げた。
ベライゾンは、この戦略の延長線上にある様子だ。 国債など他の資産に比べて、ベライゾンの株式は配当利回りが4.6%前後あるため、現金を保持しておくにはよい投資先である。