世界の自動車工場が半導体不足で困っている?!
出典:The Global Auto Plants Now Idle as Chip Supplies Dry Up | Financial Post
自動車業界を襲った半導体不足問題
半導体不足が長引いて、世界の自動車会社はアジア、ヨーロッパ、北アメリカの工場の稼働が停止している。さらに日本の半導体工場で発生した火災でより状況が悪化している。
フォード、トヨタ、フォルクスワーゲン、ホンダはエンジンや走行性能からエアコンや音響システムに至るまで、自動車内のすべてを管理・監視するために使われる半導体の供給問題の影響を受けている。
ブルームバーグによると、現在の自動車生産状況は非常に脆弱な状態であり、いくつかの異常な事が発生すると部品が無くなるそうだ。
半導体不足問題はなぜ起きた
半導体不足は新型コロナの影響により、人々が自宅で過ごす時間が多くなってノートパソコン、ウェブカメラ、ゲーム機などの機器市場が急成長することによって始まった。これによってパンデミック以降、売上が崩壊した自動車産業に供給れていた半導体が方向を変えることになった。また、米国の冬の寒波も半導体の供給に影響を及ぼしていた中、世界の自動車半導体を供給していたルネサスの工場で火災が発生し、さらに状況が悪化した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の試算によると、すでに1月の半導体不足によって世界の自動車生産量が150万台減少し、約3分の1は日本の自動車会社だと予測している。
(半導体不足のために2021年の自動車産業に610億ドルの売上高に支障がある。)
自動車業界の状況は?
以下は、世界の自動車会社の最近の状況である。
- ヒョンダイは人気モデルの生産量調整のために週末残業を中止している。
- ホンダは半導体不足、港湾渋滞、寒波を理由に、米国、カナダ、メキシコの6つの工場で生産を中止している。
- フォードは、オハイオ州の工場稼働を停止しており、ケンタッキー工場では、3月末まで交代勤務を減らす方針。F-150トラックとエッジSUVは特定の部品抜きに北米で組み立て後、チップが含まれている電子モジュールを最後に付着し、代理店に引き渡す予定。
- 日産は、米国とメキシコの生産量を調整している。
- 三菱は3月の国内生産量を4,000〜5,000台の削減し、4月の生産計画を見直している。
株式市場の反応は?
フォルクスワーゲンを除く自動車会社の株価はすべて下落し、関連指数(S&P Supercomposite Auto Parts&Equipment Index)も3月17日に高値比10%下落していた。
ルネサスのCEO柴田氏はオンラインの記者会見で、自社工場の火災で少なくとも一ヶ月間、300mmウェーハの生産ラインが停止になり、自動車業界に大きな影響を与えると述べた。 火災の深刻さを考慮して、トヨタと日産は復旧作業を支援するために従業員を派遣している。
自動車産業は日本経済の中核ですので、この業界に影響を与えれば経済全体に大きく広がります。半導体不足という要素が追加されたことで、これほど大きいことが一つの工場にかかっていることはすごく印象的です。
- ロマン・ショア、フィッチ・レーティングス