アマゾンのMGM買収 株主が気にしない理由
主要メディア企業の買収(AT&Tとタイム・ワーナーのように)は、ほぼ成功したことがないので、株主を説得させることは非常に難しい。しかし、アマゾンはそのような問題を抱えていない。莫大な規模のおかげで、あえて支出を正当化する必要がないからである。
アマゾンの時価総額1.65兆ドルで昨年の売上は約4,200億ドルのこれまで見たことない世界で最も価値のある企業である。定期的に数十億ドルがかかる決断をしており、多く場合は後にひどいアイデアだったことが分かった(ファイヤーフォンとドローン配送など)。
- しかしアマゾンの事業全体が恐ろしいスピードで成長し続けるため、株主は経営陣の戦略を再考しないことを学んだ。
報道によると、アマゾンはMGM(Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.)を85億ドルで買収しようとしている。他の企業であれば、投資家の批判を避けられないほどの非常に高い金額である。
- アマゾンのプレスリリースによると、MGMの知的財産の一部を再考するといった漠然とした約束以外、今回の買収を正当化する必要性を全く感じない様子である。
数字上では85億ドルという買収金額は以前の四半期にアマゾンが稼いだ103億ドル(税引前利益)にははるかに及ばない。また、会社が保有している現金710億ドルの約12%に過ぎない。
大きい方針としてアマゾンは配当もしないし自社株買いもしない。もともと会社の方針は創出したキャッシュフローは新しいビジネスやチャンスに積極的に再投資することである。
いくつか避けられないミスがあったものの、今までこの方針は株主にとってうまくいっている。
結論として、今回の買収は潜在的なメリットがある。しかし、もし失敗に終わってしまっても、アマゾンが全体として世界で優位性を保ち続ける限り、株主が気にする可能性は低い。