出典:Warren Buffett on Interest Rates and Why Stocks are Cheap
過去18ヶ月間に起こった驚く展開の一つは、一部テック株の素晴らしい成果である。 投機に近い企業ではなく、アップルのような優良ハイテク株のことである。このような成果は、昨年3月に発生した新型コロナの大流行による急落によるものだった。テック株が恩恵を受けると期待されたが、株式市場全体で発生した投げ売りはどうには仕方なかった。 しかし、新型コロナの大流行期間中に事業が見事に成長でき、株価もコロナ禍以前の水準まで回復した。
また、この回復は新型コロナが全世界に広がり始めた直後に現れた、金利の低下も市場に反映されたものである。
今年のバークシャー・ハサウェイの株主総会でウォーレン・バフェットはこのような状況を説明した。 彼は突然発生した金利低下がどのような影響を及ぼしたかについて、次のように述べている。
キャッシュを創出するすべての資産のバリュエーションに大きな変化がありました。 なぜならノーリスク資産である国債が利子を支払わなかったからです。新型コロナの大流行前に米国債に1000億ドルを投資した場合、約15億ドルの利子を受け取ることができたはずです。しかし、金利が0.02%だとしたら、利子所得は2000万ドルまで落ちてしまいます。あなたの給料が時給15ドルから20セントになったと考えればよいです。
引き続き、10年債の利回りがコロナ大流行中のように低く維持されればアップルのような企業は安いと述べた。これと共にグーグル、アップル、マイクロソフトのような企業は、資本で稼げる収益面で素晴らしい企業だといった。
彼らは資本をあまり必要とせず、現金を吐き出しています。最近の株価の成果はいまいちかもしれませんが金利が1%未満の国債と比べればとっても魅力的な株です。
ここ数ヶ月間、金利が上昇したものの、バフェットが言った根拠はまだ事実である。ノーリスク金融商品の収益率に比べて投資資本収益率が高いテック企業の方が良い投資対象に見える。なぜなら、より良いキャッシュフローとリターンを創出しているからである。
数字を通して見てみよう。
昨年アップルは730億ドルの余剰キャッシュフローを生み出した。今後60年間、アップルが(インフレと同様に)年間2%ずつ成長し割引率2.5%と仮定して適用すると、アップルの割引市場価値は3.8兆ドルとなる。この例はコロナ過前の金利を前提としたものである。
現在、10年債利回りは1.62%である。上記の計算式にこの数値を代入すると、割引市場価値は4.2兆ドルになる。2020年7月の0.6%の金利を適用すると、6.1兆ドルとなり、現在の時価総額の3倍に迫る。
このような数値は1つの例に過ぎないので、このまま投資に適用してはならない。しかし、過去1年間は金利の変化が企業のバリュエーションをどれだけ変化させられるかを示した。
もちろん金利が現在の水準に維持されるかは大きな問題である。数兆ドルの価値がある問題だ。