2020年の世界経済は、2008年の世界金融危機以来、最大の暴落を経験した。
新型コロナの大流行の影響により、多くの企業は大混乱になったが、いくつかの企業はそんな混乱の中で生き残るだけでなく、より繁栄している。 カンターブランズ(Kantar BrandZ)のデータで作成された上記図は2021年に世界で最も価値がある上位100ブランドを示す。
測定方法
カンターブランズは、次のような方法で測定した「ブランド価値」を基に、企業の順位を付けている。
- ブランドの経済的価値、すなわち当該企業にもたらすブランドの寄与($バリュー)
- 企業の売上高に及ぼすブランドの影響(%バリュー)
続いてここに17万人以上の世界中の消費者から得られた調査データを結合する。企業のブランド資産、評判および価値を生み出す能力を全体的に検討し、最終的な結果が得られる。
リーダーボード
2021年の上位100ブランドの全体的な価値は、42%高まり、7兆ドルに達した。このリストの最上位としてブランド価値が6,830億ドルになるアマゾンがあるのは驚くことではない。
順位 | ブランド | 価値(億ドル) | 部門 |
昨年比 価値変化 |
---|---|---|---|---|
1 | アマゾン | 6,838.5 |
一般消費財 小売り |
64% |
2 | アップル | 6,120.0 | テクノロジー | 74% |
3 | グーグル | 4,580.0 |
メディア エンターテインメント |
42% |
4 | マイクロソフト | 4,102.7 |
ソリューション |
26% |
5 | テンセント | 2,409.3 |
メディア エンターテインメント |
60% |
6 | フェイスブック | 2,267.4 |
メディア エンターテインメント |
54% |
7 | アリババ | 1.969.1 |
一般消費財 小売り |
29% |
8 | ビザ | 1,912.9 | 金融サービス | 2% |
9 | マクドナルド | 1,549.2 | 食品&飲料 | 20% |
10 | マスターカード | 1,128.8 | 金融サービス | 4% |
(100位まで全体を表示するには、以下のリンクを参照)
Ranked: The World’s 100 Most Valuable Brands in 2021
アマゾンは3年連続1位になった。アマゾンのブランド価値は昨年より64%増加した。これは、Webおよびサブスクサービスを含むアマゾンすべての事業領域で説明できる。
2位は6120億ドルのアップルである。アップルは、新型コロナの影響をうまくコントロールした。パンデミックの初期には、株価が19%ほど下落したがすぐに回復し、2020年第4四半期に647億ドルという歴代最高売上を記録した。
新型コロナの影響で、消費者は自宅でオンラインショッピングやレジャーを楽しむしかなかったため、リストに上がったトップブランドがビックテック企業であることは当然な結果である。ソーシャルネットワークプラットフォームも上位に上がった。例えば、Facebookは2270億ドルの価値を認められ、6位にランクした。
インスタグラムとTikTokはブランド価値としてはフェイスブックより下だが、昨年に比べてすごい成長を見せ、ブランド価値の成長率は10位内にランクした。
ブランド価値の成長から得られるインサイト
このブランド価値報告書は、10年以上に渡って企業の順位を付けており、ブランド価値の成長の主な要因として挙げられることは以下になる。
1.大きなものはより大きくなる
「強い」ブランドは、より競争力を得られる。その理由は、企業の成長率は、高いブランド価値と密接な関連するからである。つまり、強いブランドは弱いブランドよりも成長する可能性が大きく、アマゾンとアップルのような企業が、数年連続1位を占めることがその証である。
ただし、これは業界の技術革新を考慮していない。つまり、来年でも革新的な企業が現れ巨大テクノロジー企業と激しい競争する可能性がある。
2.違いを作るマーケティング
正しい戦略は変化をもたらすことができる。弱いブランドでも強烈なメッセージを伝えられれば、人気を集められる。プライドや人気のような感情を連想させるブランドが価値の成長につながる傾向がある。
ナイキやコカコーラのような企業は、感性的な広告を作ることが上手い。たとえば、昨年ナイキはジョージ・フロイドさん死亡事件について人種差別に反対する広告「For Once、Just Do not Do It」を作った。
3.賢明な投資
ただ、効果的なマーケティング戦略を開発するだけでなく、その戦略を実行して、ブランドメッセージを続けさせるためには継続的な投資が必要である。
例えば、技術革新はテスラというブランドのコアバリューであり、電気自動車会社としてその道を歩んでいる。そのために、2020年にテスラの研究開発費用として15億ドルも使用している。