ポートフォリオの66%が3つの銘柄 バフェットの投資戦略は真似すべき?
分散投資のメリットとデメリット
投資世界ではグロス株とバリュー株のどちらが良いかについての議論が止まらない。分散投資と集中投資、大型株と小型株のについても同じだ。
個人投資家が自分に最も合う戦略と銘柄を決める際に一番悩むことでもある。
各投資家がリスクを許容できる範囲に応じて、
大型バリュー株に広く分散されたポートフォリオがより安全で
それでは、慎重な投資スタイルで有名なウォーレン・バフェットは、
なぜ大型株とバリュー株という「安全な」スタイルを好みながらも
いくつかの企業に集中されたポートフォリオを作っているのだろうか?
この戦略が妥当な理由とバフェットのポートフォリオ配分が私たちがより良い投資家になるために、どのように役立つか考えてみよう。
いざ、勝負!大胆な賭け
バフェットは歴史上最も偉大な投資家の一人である。
1965年から2021年まで、バークシャー・ハサウェイの年間平均利回りは20.1%である。
これは最も珍しい優れた記録だ。
バフェットが少ない資金を管理し、より大きなリスクをとれるようになった最初の数年間の収益率は30%に近い。
しかし、バフェットが自分の投資成果に満足して、何も工夫しなかったら同じような成果を得られなかっただろうか。
自分の頭で独立的に考え、自分が信じる企業に対して、大胆に勝負に出た。
今日、バークシャー・ハサウェイは3,587億ドル相当の上場株式を所有している。
このうち66%がアップル、バンク・オブ・アメリカ、アメリカン・エクスプレスに集中している。
上位5社で絞ると76%になる。
そして上位10社なら87%になる。
表面的にはアップルの株がポートフォリオで45%を占めるポートフォリオは
極めてリスクが高く見えるでしょう。
しかし、バフェットは鋭い研究、深い確信、そして最高のアイデアだけを追求することで有名だ。
バークシャーがはるかに小さかった若い頃には小型株に集中投資した。
今は大型価値株に投資している。
しかし、投資キャリアを通して、常に自分の能力の範囲、すなわちバリュー投資の中にとどまってきた。
Doubling down!リスクをとって倍掛け
バークシャー・ハサウェイは確信がなり企業の株式を買うより、すでに保有している良い株式を2倍、3倍、4倍に増やしていくスタイルである。
バークシャーは2016年からアップルの株式を買い始め、着実に比重を増やしてきた。
より最近の例は、ここ数年間、バークシャーのポートフォリオに存在しなかったシェブロンとオキシデンタル・ペトロリアムの株式を増やしている。
もし投資家が企業の本当の価値を知るために時間をかけて、長期的に信頼し企業と共にしたいなら、そのような企業をいくつかでポートフォリオを構成することは、理にかなっている。
バフェットは気質上、2018年の米中貿易戦争によるベアマーケットや、2020年の新型コロナによる市場崩壊、さらに最近のベアマーケットでも自分の好きな企業を手放さなかった。
要するに、大幅に分散したポートフォリオよりも高度に集中したポートフォリオでも、特定の投資家にとってはより理にかなっている。
しかし、保有している企業に対する研究を続ける時間がない場合、
または株式市場が崩壊したときに所有し続ける余力が不足している人々にとっては、
ポートフォリオを分散しておく方が安全である。
目に見えないこともある
バークシャーが保有している株式ポートフォリオだけでは、多少誤解を招く可能性があることには注意した方が良い。
ポートフォリオ価値の2倍を超えるバークシャーの時価総額7,852億ドルには、
完全に所有している保険、鉄道、サービス、エネルギー、ユーティリティ企業の価値も含まれている。
バークシャーの総合的な価値から考慮すると、アップルの「本当の」比重は20%に近い。
さらに、バークシャーは他の子会社からも収益を得ている。
これらの子会社のおかげで、バークシャーは1つの投資会社ではなく、複数のビジネスを運営し、余分な現金を他の企業に投資している大企業に近い。
最後に
一般投資家はバークシャー・ハサウェイと近い姿かもしれない。
気付いていないだけで、正しい方法で投資しているならば、数年以上または数十年にわたって投資しているだろう。
生活費は株式を売却したお金ではなく、仕事をした給料で支払っている。
特定の企業に関心があり、余裕資金で投資する一般投資家にとっては、
自分が分析できるいくつかの企業でポートフォリオを構成し、熱意をもって運営することも良い方法かもしれない。
しかし、パッシブファンドやたくさん優良株で構成されたポートフォリオで長期投資する方が、安心して眠れるならばそれも全く問題ない。