BTSとジャスティン・ビーバーの所属事務所が合併
出典:HYBE, Home to BTS, Merges With Scooter Braun's Ithaca Holdings - Variety
韓国のポップグループBTSが所属するハイブ(HYBE、前BIG HIT ent.)がスクーター・ブラウン(Scooter Braun)が設立したSBプロジェクト(SBP)のイサカ・ホールディングス(Ithaca Holdings)を買収することを発表した。今回の契約でハイブは100%子会社であるハイブ・アメリカ(HYBE America)を介してイサカ・ホールディングスの株式100%を買収する予定である。この取引にはSBプロジェクトと所属アーティストであるジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデ、デミ・ロヴァートだけでなく、ビッグマシン・ラベルグループ(Big Machine Label Group)が含まれる。
BTSの所属事務所ハイブがイサカ・ホルディングスを回収
この取引は、10億ドル以上の規模で行われた。
スクーター・ブラウンがハイブの理事会に参加し、スコット・ボルチェッタ(ビッグマシン・レコード最高経営責任者)は引き続きビッグマシンに残ることになる。今回の契約を発表した資料によると、両社のアーティストたちがハイブの増資に参加し、両社の関係をさらに深める。具体的な条件は明らかにされていない。
世界最大の音楽エンターテインメント企業誕生
両社が共になる新しいハイブは全世界で音楽中心に運営される最大のエンターテインメント企業になるだろう。BTSとビーバーだけでも、数億人のファンを確保しており、最近アリアナ・グランデは全世界的にストリーミング回数が900億回を超えた。
これは、女性アーティストとして最高の記録である。 グラミー受賞者であるダン+シェイ(Dan + Shay)とビーバーも「10,000 Hours」でこの記録を立てた。4月2日にはYouTubeオリジナルを通じてデミ・ロヴァートの最新アルバム「Dancing With the Devil:The Art of Starting Over」が発売され、SBPにとって忙しい月だった。
両社リーダーの思い
ハイブの会長兼CEOであるパン・シヒョクは次のよう明らかにした。
ハイブとイサカ・ホールディングスの必然的な結合は、これまで誰も想像していなかった新たな冒険が始まったことを意味します。今後両社は密に協力し合ってこれまでの成功記録、ノウハウと専門性をレバレッジとして相乗効果を生み出し、国境を越えて文化的壁を崩そうとしています。ハイブとイサカ・ホールディングスの限りない可能性、そして今回のパートナーシップが音楽産業にもたらす新たなパラダイムを期待してください。
これにスクーター・ブラウンはこう付け加えた。
アーティストが米国市場でキャリアを始める時からハイブの革新的なシステムとキュレーションが統合されるのは初めてです。また、すでに私たちと一緒に働いているアーティストの能力を継続的に発展させることにも役立つでしょう。このようなパートナーシップによって、アーティストたちが全世界で活躍できるチャンスが飛躍的に増えます。私たちが歴史を作って、さらに音楽業界を革新し既存の市場に革命を起こせるチャンスです。両社にとって今後長い間記念碑的な意味になるでしょう。パン会長の友情とアーティストのクリエイティブな道のりを支援していただける意志に本当に感謝しています。
今回の契約には、BTS、TXT、SEVENTEEN、GFRIENDなどハイブで活動しているアーティストたちと、ジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデ、J・バルビン、デミ・ロヴァート、トーマス・レット、フロリダ・ジョージア・ライン、レディ・AなどSBプロジェクトとビッグマシン・ラベルグループのアーティストのマネジメントサービス等を含む様々なサービスが含まれている。(2020年11月に、スクーター・ブラウンはビッグマシンが発表したテイラー・スウィフトの初アルバム6つに対する権利を3億ドル以上で売却した。)
合併によるシナジー効果
ハイブとの取引の一環として、カーライルグループはイサカ・ホールディングスの株式を売却する。2017年にカーライル・パートナーズVIファンドを通じてこの会社に初めて投資していた。
Paul HastingsLLPのデビッド・エルナン・コードとキム・イクスがこの取引についてハイブにアドバイスしている。イサカ・ホールディングスのパートナーであり、SBプロジェクトの代表であるアリソン・カイエはこう述べている。
15年間、最高のエンターテイメント会社を作るためにスクーターと働いていました。我々は非常に誇りに思うチームを作ってきました。私たちは素晴らしい作品とブランドを世の中にお届けしてきました。私たちは、パン会長及びビッグ・ヒットとパートナーシップを結ぶ新たなチャンスについて非常に嬉しいです。両社は所属アーティストたちがグローバルでエンターテイメント、技術、営利及びコンテンツ全般にわたって、企業とアーティストが成長しながら共に働けるようになります。スクーター、パン会長及び関連するすべての方々に感謝いたします。
SBPの総括マネージャーであるジェネラル・マクダニエルスはこう述べた。
長年独自で働いた後、SBPファミリーに参加することを決めました。スクーターとアリソンとの関係だけではなく、彼らが所属アーティストたちに見せてくれた献身と情熱的な姿を見てきたからです。この会社で3年間働に、全世界で同じ価値観を共有するパートナーを発見できて本当に嬉しく思います。非常にユニークで偶然な結合で、これからの未来がどれだけ楽しみか、言葉で表せないほどです。
エンタテインメントプラットフォームとしてのビジョン
ビッグ・ヒットからハイブへの社名変更については3月30日の株主総会で発表された。このような変化の推進力は、会社が単純にアーティストのマネージメントを越えて、より包括的なライフスタイルのプラットフォームとして生まれ変わる野心を実現しようとする欲求から始まった。報道によると、同社は音楽制作、配給、アーティストマネジメント、ライブ公演マネジメント、インターネットテクノロジー、Eコマースなどの分野を超えて旅行、不動産など異なるコミュニケーション分野に進出する計画だそうだ。
2005年に設立されたビック・ヒットは、韓国の3つのマネジメント会社(SM ent、YG ent、JYP ent)がK-POP市場を支配していた中、比較的小さな会社としてスタートした。しかし、BTSがグローバルで大人気となり地位が変わった。ただし、ビッグ・ヒットの売上はまだBTSにほとんど依存している。
同社は昨年10月8.2億ドル規模で韓国に上場され、3年以内の最大記録を超えた。上場初期に上昇した株価は、その後2020年末までに下落したが、2021年1月末からV字回復し、2月中旬にはIPO株価135,000ウォンから52%上昇した史上最高値を記録した。時価総額も7.29兆ウォン(6.4億ドル)を記録した。