テスラが1兆ドルクラブ入り　その背景は？

テスラが1兆ドルクラブに加わるまで

テスラの株価は大きく上昇し、ついに1兆ドルクラブ入りを果たしました。この評価が電動車メーカーにどのような意味を持つのか、その背景にある事情をご紹介します。

テスラの1兆ドル評価の意味とは？

この1兆ドルの数字は、テスラの時価総額に基づいています。

会社の時価総額を計算するには、1株の株価を発行済み株式総数で乗算します。執筆時点では、テスラの1株の株価は1,024ドル（740ポンド）で、発行済み株式総数は9億9000万株です。

したがって、株価を発行済み株式数で乗算すると、合計評価額は1,013,760,000,000ドルとなります！

テスラが1兆ドルに達した経緯

それほど昔ではない時期に、テスラ（TSLA）の株価は600ドル（434ポンド）前後を推移していました。ではなぜ、1,000ドル（723ポンド）以上に急騰したのでしょうか？

株価の急騰につながった理由をいくつかご紹介しましょう。

最近の市場回復が株式に大きな刺激を与えました。テスラ株は非常に変動の激しい成長株であり、下降時にはより大きなダメージを受ける一方、上昇時にはより大きなアップサイドを持っています。
燃料供給の問題や電動車への一般的な動きも、テスラのオーナーであるイーロン・マスクの手によって進められてきました。
テスラの転機は、レンタカー会社ハーツとの取引によってもたらされました。ハーツは100,000台のテスラ車をフリート用に注文しました。これは史上最大の電動車の注文であり、2020年5月には倒産したハーツが行ったものとしては驚異的なものです。この10万台の車はおよそ40億ドルの収益となるでしょうが、このニュースはテスラの時価総額には約25倍の影響を与え、その評価額は13桁を超えました。これは次の9つの自動車メーカーの合計を上回るものです。

1兆ドルクラブのメンバーたち

テスラは今や、一流のビジネス企業の一員です。尊敬される1兆ドルクラブの他のメンバーには、次のような有名な企業が含まれています。

アップル（APPL）
マイクロソフト（MSFT）
アマゾン（AMZN）
アルファベット（GOOGL）

テスラは、これらのビッグテクノロジー企業に続いて、初めての自動車メーカーとして1兆ドルクラブ入りを果たしました。

テスラの1兆ドル評価は正当か？

ここで投資家たちの間で多くの議論が巻き起こる部分です。テスラが特異なのは、同社が伝統的な自動車メーカーではなく、テクノロジー企業のように評価される傾向があることです。

テスラが初の自動車メーカーとして1兆ドルクラブ入りを果たしたことは非常に興味深い点です。これは、トヨタやフォルクスワーゲンなどの他の主要ブランドと比べても、テスラはあまりにも多くの車を製造・販売していないためです。

もしテスラを単なる自動車メーカーとして評価すると、この1兆ドル評価はやや過大評価と言えるかもしれません。なぜなら、この評価を正当化するためには、現在よりもはるかに多くの車を販売する必要があるからです。

他の1兆ドル企業と比較すると、テスラの収益は遠く及ばないことも興味深い事実です。2021年における収益を生成する企業の中で、他のすべての企業が上位25位に位置している一方、電動車メーカーは196位となっています。このことから、テスラのビジネス取引が現在はトップ50、あるいはトップ100の企業にはなっていないかもしれないが、株価は投資家が今後変わることを信頼していることを示しています。Interbrandによれば、テスラは2021年に最も成長したブランドとして名前を連ねています。

新たな展望

テスラの投資家たちは、同社の電動車分野での早期リードがいつかはMicrosoftやGoogleなどのメガテクノロジー企業と同じような収益につながることを期待しています。これらの企業にとって、未来は輝かしいだけでなく、現在も非常に楽観的です。

Microsoftは450億ドルの売上と200億ドルの営業利益を発表しました。アルファベット（Googleの親会社）はさらに良い数字を示し、650億ドルの売上と210億ドルの営業利益を達成しました。これらの数字はわずかな3か月間のものです。両社は前年比で売上を33％増加させており、その成長は彼らの規模に合ったもので、まさに前例のないものです。