バークシャー・ハサウェイ、テック企業に対抗して1兆ドルクラブ入りへの挑戦
バークシャー・ハサウェイの1兆ドルクラブ入りへの厳しい道のり
アメリカの株式市場において、テック企業が1兆ドルクラブを席巻しており、現在はわずか5社しかこの偉業を達成していません。しかし、テック企業以外の2社がその扉をノックしています。メタ・プラットフォームズ(旧Facebook)とテスラが1兆ドルの壁に近づいていますが、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイはそれらを先に打ち破ることができるのでしょうか?
バークシャー・ハサウェイの挑戦
バークシャー・ハサウェイが1兆ドルクラブ入りを果たすことは容易なことではありません。メタとテスラに比べて、同社の株式はまだ多くの伸びしろがあります。例えば、テスラはたった9%の上昇で閾値の時価総額に到達するだけですが、バークシャーは約32%の急上昇が必要とされます。
さらなる挑戦要因として、これら株式の現在の勢いが挙げられます。2023年に入ってから、バークシャーの株価は10%強の上昇にとどまっており、これはメタの160%超やテスラの140%近い上昇に比べて著しく低い数字です。
バークシャー・ハサウェイの弱点
バークシャーが直面している重要な弱点は、堅固なAI(人工知能)のスキルを持っていないことです。メタやテスラなど1兆ドルクラブの他の企業と同様に、AIの能力は現在非常に高い需要にあります。
しかし、バークシャーが前進する可能性もまだあります。市場が低迷すると、投資家はメタやテスラのような成長株よりもバークシャー・ハサウェイの株を持つことにより安心感を得る傾向にあります。過去の売り込み局面では、バークシャーがこれらの企業を上回る成績を収めてきたのです。
1兆ドルクラブ入りへの可能性
メタやテスラよりも先にバークシャー・ハサウェイが1兆ドルクラブ入りを果たすためには、特定の条件が必要です。まず第一に、株式市場の暴落とそれに続くゆっくりした回復が必要です。メタの予想P/E倍率は約26倍、テスラの倍率は驚異的な85.5倍と、株式市場の高い評価が既に存在しています。
最近は景気後退への懸念が薄れてきましたが、インフレーションや雇用成長などの指標は重要な要因となります。ゴールドマン・サックスは景気後退のリスク予測を下方修正し、アメリカの財務長官ジャネット・イエレンも景気後退リスクの低下を見ています。メタやテスラが1兆ドルクラブに先んじる可能性が高いと言えるものの、バークシャーがテック企業の代わりに市場をリードする現実的なチャンスもあるのです。
バークシャー・ハサウェイが1兆ドルクラブ入りを果たすことは困難な道のりですが、市場の低迷期における同社の強靭な姿勢が有利な要因となる可能性もあります。株式市場が暴落し、ゆっくりと回復する場合、バークシャーはメタやテスラを追い越す機会を得ることができるでしょう。ただし、テック企業はAIの能力と市場の強い勢いを持ち続けているため、その優位性は変わらないことを忘れてはなりません。
参考: