アメ株クラブ

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アマゾンの復活?!アマゾンドットコムの業績レビュー

クラウドの成長が安定し、フルフィルメントの改善が利益の驚きをもたらす

アマゾンドットコム(以下、アマゾン)の2023会計年度第2四半期(6月末)の業績は、売上高1344億ドル(前年比+10.8%、前四半期比+5.5%、コンセンサス比+2.1%)、営業利益率5.7%(前年比+3.0ポイント、前四半期比+2.0ポイント、コンセンサス比+2.1ポイント)、EPS 0.65ドル(前年比プラス、前四半期比+109.7%、コンセンサス比+85.7%)を記録しました。

背景と見通し

この好業績の背後には、1) アメリカの企業が機械学習やデータベースなどの新しいワークロードをクラウドに移行し、AWS(アマゾン ウェブ サービス)の成長率の鈍化が安定化し、2) フルフィルメントの地域最適化による配送料の効率化で利益率が大幅に向上したことがあります。事業別の売上高成長率は、オンラインストア前年比+4.2%、オフラインストア前年比+6.4%、第3者販売サービス前年比+18.1%、サブスクリプションサービス前年比+13.5%、広告サービス前年比+22%、AWS前年比+12.2%です。地域別の売上高成長率は、北米前年比+10.9%、海外前年比+9.7%です。

マージン改善は続く

2023年第3四半期のガイダンスでは、売上高1380〜1430億ドル(前年比+9〜13%)、営業利益55〜85億ドル(前年比+220〜340%)と予想されています。企業のクラウド移行の需要が4月以降再び回復し、AWS事業部の回復が続く見通しです。また、配送料やフルフィルメントコストの最適化による利益率の拡大も期待されています。2023年のCapexガイダンスは500億ドル(前年比590億ドル)であり、フルフィルメントや輸送への投資コストは削減される一方で、AIや大規模な言語モデルの開発に伴うAWSへの投資は拡大する見込みです。

不確実性が解消し、主要事業の展望は明るい

アマゾンの主力事業であるコマースとAWSクラウドの展望は楽観的です。これまでの低調な業績の背後にある消費の縮小とアメリカ企業のコスト最適化の動向が底を打ち、再び回復しています。AWSクラウドの需要回復に伴う安定的な成長が見込まれ、フルフィルメントの地域最適化により当日および翌日の配送範囲が拡大し、それに伴う受注増加とコスト効率化による利益率の向上が続く見込みです。

コマース

販売者がセラー自身のウェブサイトでプライムサービスを提供できる「Buy with Prime」サービスの導入により、サービスを利用するセラーが増え、高利益の第3者販売サービスが大幅に増加しました。7月のアマゾンプライムデーは過去最大の実績を達成し、フルフィルメントの地域最適化により、従来の全国的なフルフィルメントから8つの地域の倉庫への細分化が行われました。不要な中間移動経路を最小限に抑え、配送料の削減効果と顧客の利便性向上が図られました。地域フルフィルメントから出荷されるパッケージの割合は76%で、前年比で10ポイント増加しました。受注の増加が続き、今年のアマゾンプライムデーでは当日/翌日配送の件数が2019年に比べて4倍近く増加しました。地域最適化が進むにつれ、利益率の向上が期待されます。

AWS

企業がコスト最適化から新しいワークロードの構築に切り替わる中、AWSの成長減速が緩和され始めています。7月には前四半期と同様の成長が続いており、特にコンピューティングやネットワーク、ストレージ、データベース、データソリューション、機械学習分野でクラウド需要が増加しています。AWSはトレーニングモデルや生成型AIアプリケーションへの投資を継続する計画です。マイクロソフトとの競争環境は厳しいかもしれませんが、クラウド市場の回復と生成型AIへの投資トレンドは前向きです。

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