ウォーレン・バフェットが52年かけて学んだ教訓
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ウォーレン・バフェットにはある物語があり、そこには重要な教訓が含まれている。
コカ・コーラが大好きなバフェットはその教訓に気づくまで52年かかってしまった。早く見抜けていれば巨大なお金を稼いだだろうと言っている。
バフェットとコカ・コーラ
まず、バフェットとコカ・コーラについてみてみよう。
彼は2015年にフォーチュン誌とのインタビューでこのように述べている。
私は、少なくとも12オンス(340ml)のコカ・コーラ缶を飲んでいます。毎日ね。まず朝一に一つ飲んでいます。
言いすぎかもしれないのは、コカ・コーラを毎日飲むことである。でも、バフェットは1991年のバークシャー・ハサウェイ株主書簡で、「私は毎日チェリーコーク5缶を飲む幸せな消費者」と主張した。
バフェットは、現在90歳で長生きしているので、彼の食習慣を批判するのは時間の無駄でしかない。
52年かかって学んだ教訓
それでは、彼が言う投資教訓について考えてみよう。バフェットが気づくまでに52年もかかってしまったその教訓だ。
1989年の株主書簡で次のように語った。
1935年か1936年ごろに初めてコカ・コーラを飲んだと思います。「Buffett & Son」という食料品店で6本入れのコーラパックを25セントで買って、近所の人に一本につき5セントを上乗せして売り始めたのは1936年です。
この短期間の利益率高いビジネスから、コカ・コーラが消費者に非常に魅力的で、ビジネス的に可能性が高い製品であることが分かりました。
それ以後、52年間に渡ってコカ・コーラは全世界に広がり、その特徴に引き続き注目していました。しかし、小心者だったのでコカ・コーラの株は買いませんでした。
1988年の夏にようやく、私の脳と目がリンクしました。
この半世紀間はコカ・コーラにとって一番良い時期だった。
バフェットはこう述べた。
もし私が正しく考えていたら、1936年に食料品店を売り、そのお金でコカ・コーラの株を購入するよう祖父を説得したでしょう。そうすれば、本当に素晴らしい長期投資になったはずです。
しかし、その期間中に投資資金を市内鉄道会社、風車タービンの製造会社、無煙炭生産会社、繊維会社、クーポン発生会社などに投資した。
現在バークシャーはコカ・コーラ株式を4億株保有している。これはポートフォリオの9.3%を占めており、最近の株主書簡基準で約219億ドル相当である。
これは面白話にしてしまっても良いだろう。しかし、バフェットが指摘したように広く適用できる教訓が含まれている。彼は19世紀の超越論的作家兼哲学者であるヘンリー・デビッド・ソローの言葉を引用して記憶に残るように説明した。
何が見えるかが重要ではなく、何を見るかが重要である。
この言葉が何を意味するか、私たちは知っている。多くの場合、大きな課題に直面したときに最も簡単な解決策は、自分を真正面から直視することである。これがバフェットがコカ・コーラの素晴らしさに気づいてから投資するまで52年かけて学んだことである。
- ある分野でプロとして成功するために、どのように役立つか考えず極めたスキルかもしれないが、今はそのスキルが他人と差別化できる。
- 副業や遊びで開発した製品が今のメインビジネスになったこともある。
- 一つの作業のため採用した従業員が、期待以上に成長し価値のある人材になっている場合もある。
番外編
バフェットは子供の頃コカ・コーラを売ってその会社に憧れており、コカ・コーラのVIP消費者だが、実は人生で長い間ペプシコーラ派だった。ある息子の友人はバフェットを「ペプシ・ウォーレン 」と呼んでいた。
バフェットがコーラを変えた理由は、子供の頃にオマハで共に育った近所のドナルド・キーオの影響である。後にコカ・コーラの代表になったキーオは、正式販売前のチェリーコークを一箱送ってくれたそうだ。
その効果はすぐに表れた。バフェットは、コカ・コーラに投資する2年前である1986年3月4日の株主書簡にこのように書いた。
48年間、他ブランドのコーラだけ飲んでいましたが、コカ・コーラの代表のおかげでチェリーコークに変えるようになりました。今後、コカ・コーラはバークシャー・ハサウェイの株主総会の公式ドリンクになります。